「せっかく採用したのにオペレーターがすぐ辞職してしまう…」「新人教育にかけたコストがなかなか回収できない…」といったお悩みはございませんか?
人材こそがビジネスの礎であるように、コールセンターにおいてはオペレーターの育成こそが成長のカギです。優秀なオペレーターなしには優れたコールセンターはございません。
とはいえ、オペレーターの辞職率が高いのは悩みの種です。
そこで本記事では、オペレーターの育成のための2つのポイントを紹介いたします。
CTI・CRMシステムの利用
オペレーターの成長には、まず実践経験が欠かせません。座学で商品知識を吸収することはもちろん重要ですが、それ以上に現場でトークの経験を積むことが成功のカギを握ります。
では、経験値を積むべく闇雲に電話を掛ければいいかと問われれば、話はそう単純でもありません。一般的に、しっかりとした方向性のない実践は有用な経験として昇華されません。むやみやたらと電話をかけても、鍛えられたのは忍耐力ばかり…となる可能性もあります。ですが、忍耐力だけではスキルとして不十分です。オペレーターはより多くのスキルを効率的に覚えて架電することで成長します。
そこでカギを握るのが、電話のシステム化です。すなわち、CTIとCRMの要素を取り入れたコールシステムの利用です。このようなシステムを利用することで、顧客一人一人のデータを確認しながらワンクリックで架電することが可能になります。つまり、電話が掛けやすくなることで、トークの内容やお客様のニーズに意識を集中させることができます。
あらかじめお客様の情報を把握したうえでの架電と、「とりあえずかけてみた」程度の架電を比べてみれば、当然ながら結果は雲泥の差となります。システムを用いたコールの方が、質の高いコールを多く発信できるため、オペレーターも業務経験として多くのスキルを吸収できるでしょう。ソフトフォンやマルチコールなどの技術を利用すれば架電効率が高まり、オペレーターは生産性の高いコールを経験できます。
さらに、CRMシステムを利用すると顧客データが一元的に管理できるのも重要です。というのも、顧客データがシステム内に一元的に管理されていることで、架電の際に応対するオペレーターが以前と入れ替わっても、顧客データを参照して応対内容の質が保つことができるからです。つまり、オペレーターの対応をコールセンターで平準化できます。そうすれば、オペレーターの業務を一定のレベルに統一できます。それはすなわち、初心者のオペレーターもベテランのオペレーターも業務のクオリティに決定的な差が開くわけではないことを意味します。システム内の同じデータを見て対応しているため、初心者のオペレーターも一定レベルの生産性の高い業務をこなせるのです。
もちろん、トークの技術や相手の温度感を感じ取る能力はシステムの利用だけでは埋まらない差でしょう。しかし逆に言えば、CRMシステムを利用することで、トークスキルなどの経験ベースのヒューマンスキルを除けば、全くの初心者もベテランと同じ土俵に立てるのです。FAQやトークスクリプトを充実させれば、コールセンター全体の業務レベルも高まります。
このように、CTIシステムやCRMシステムの利用は、オペレーターに実践経験を積ませるうえで欠かせないと言えるでしょう。システム化を進めることで、オペレーターの成長速度は高まり、短期間で優れたオペレーターを育成することが出来ます。
オペレーターのストレスケア
せっかく育ったオペレーターが辞職してしまうことほど双方にとって悲劇的な出来事はございません。長年勤めてきたオペレーターだったり、優秀なオペレーターが去ってしまったりすれば、コールセンターにとって大きな打撃です。
とはいえ、オペレーター業務は非常に負担の重い業務です。電話がなかなか繋がらなかったり、アポが取れなかったり、クレーム対応に集中しなければいけなかったり…。彼らが辞職してしまうのは、業務にかかるストレスがとても大きいからなのです。
そこで重要な対応は、オペレーターのストレスケアです。ストレスケアには二つの方針がございます。
まずは、ストレスの予防です。
例えば接続率を高める工夫をしたり、CRMシステムを用いてクレーマーをマークしたり、ストレスを引き起こすトラブルの再発防止に努めます。全体としてのストレス負荷が下がれば、オペレーターの業務生産性も向上し、職場の雰囲気も明るくなるでしょう。そして、ストレスを予防しやすい環境をつくるためには、普段からのコミュニケーションも大事です。雰囲気の良い職場はチームワークに優れており業務レベルの高い生産性を発揮します。
もう一つが、アフターケアです。
どんな職場であれ、ストレスが発生する状況がございます。コールセンターも例外ではありません。いくら予防しても、仕事をする上ではストレスフリーの環境を構築することはほぼ不可能かもしれません。
しかし、だからといって予防を怠っていい理由にはなりませんし、アフターケアを忘れてもいけません。
例えば、オペレーターがトークスクリプトを読み間違えて、当初予定されていたシナリオとは異なった対応をしたために、失注に至った場合。このようなときに、ミスをしたオペレーターを怒鳴っても、逆効果になるかもしれません。オペレーターがすでに落ち込んでおり、自分のミスが失敗に繋がったと理解している限りにおいては、起きた出来事を責めても仕方ありません。そうではなく、むしろ気持ちをプラスの方向へ持っていくべきです。オペレーター業務が非常に負担の大きい仕事であることを理解したうえで、励まして常にケアすることが肝心です。
ストレスのケアは、オペレーターに長く働いてもらう上で日々念頭に置いて取り組むべきです。オペレーターが長く働き続けてくれれば、個々人の業務レベルも高まり、コールセンター全体のレベルが底上げされます。
このように、オペレーターのストレスケアは辞職率を下げるだけでなく、コールセンター全体の質を上げる点でも一石二鳥の重要な施策です。
まとめ
本記事では、オペレーターの育成について2つのポイントを紹介しました。
すでに広く利用されているように、CTI・CRMシステムの利用は、オペレーターが成長するうえで欠かせません。
そして、オペレーターのストレスケアも、辞職率を低下させるうえで重要な施策です。
本記事がオペレーターの成長に役立てば幸いです。