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在宅コールセンターは実現可能?その課題と導入方法を紹介

在宅コールセンターは実現可能?その課題と導入方法を紹介

 

コロナ禍に入ってから身近なワークスタイルとなったテレワーク。オフィス内での感染拡大を防ぐため、多くの企業でテレワークを取り入れる方針が発表されています。

一方、コールセンター/コンタクトセンター業務のテレワーク化は十分に普及していない状況です

日本コールセンター協会が実施した2020年度の調査によれば、在宅テレコミュニケーターを「採用予定なし」と答えた企業は38%、「すでに採用」と答えた企業は28%という結果が出ました(N=50)…1。新型コロナウィルスの蔓延が深刻な社会問題にもかかわらず、依然として多くのオペレーターは現場での勤務を継続している状況があるようです。

当然ながら、コールセンターのようにオペレーター間の距離が狭い「密」な空間での発声は、新型コロナウィルスの感染リスクが高いです。そのような危険性にもかかわらず、なぜコールセンター業務のテレワーク化は進まないのでしょうか。

本記事では、在宅コールセンターが抱える課題と解決の糸口をご紹介いたします。

 

在宅コールセンターが抱える課題

情報セキュリティリスク

企業にとって最大の懸念事項は、情報セキュリティです。在宅勤務によって機密情報漏洩のリスクの懸念があるからこそ、在宅コールセンターの実践に舵を切れない状況があります。

現場コールセンターでの勤務であれば、その場の監督責任者(SV)がオペレーターの稼働状況をモニタリングできるので情報の流出を未然に察知して防ぐことができます。仮にセキュリティ上のトラブルが発生しても、現場でエスカレーションして情報共有できるため、対応への遅れが問題視されるケースは比較的少ないです。しかし、在宅勤務の場合は、オペレーターの誤操作や不正アクセスに対して、トラブル検知から対処までの迅速な対応が難しくなります。なぜなら各オペレーターの勤務状況が目の届く範囲になく、現場でのトラブルの温度感が把握できないからです。不透明な状況のまま進行中の問題を放置した結果、最悪の場合にはクレームの多発や、企業の信用・ブランドイメージを損なってしまうリスクもございます。

また、ネットワーク環境が住まいによってバラバラであることも悩みの種です。セキュリティが整っていないネットワーク環境によっては、通信内容やデータが流出してしまう恐れもあります。インハウスであればネットワーク環境が統一されているため機密データの流出は抑えられますが、在宅だとネットワーク環境が各住まいに依存してしまうため、インハウスよりも情報の流出リスクが大きな問題となります。

さらに、技術的な情報漏洩リスクだけでなく、人為的なリスクも潜んでいます。ITリテラシーの高くないオペレーターがプライベート目的に端末を利用してセキュリティインシデントが発生してしまうリスクが考えられますし、特に、研修が不十分なまま在宅ワークに一斉に移行してしまうと、オペレーターの対応品質が維持できなくなるかもしれません。端末操作にセキュリティ対策によって制限がない場合、オペレーション業務とは関係のない行動が予期せぬミスを引き起こす恐れもあります。

 

対応品質のサービスの低下

在宅コールセンターの場合、サービスの応対品質のクオリティー低下も懸念されます。

たとえば在宅勤務の場合だと、リアルタイムでのサポート案内でミスや伝達すべき情報の洩れがあった際に適切な対応フォローが遅れるケースが考えられます。インハウスであれば、現場の管理者がモニタリング・ウィスパリングによってオペレーターのサポートをしやすく、またオペレーターも現場責任者が近くにいることで心理的に安心して業務に取り組めます。しかし、在宅勤務だと周囲に監督する人が近くにいません。そのような場合に応対内容の伝達ミスやクレーム対応の処理しなければならなくなったときは、オペレーターも対処に困りオペレーションが滞って混乱が生じるかもしれません。仮に伝達ミスが許されないプレッシャーのある案内のケースだと、近くに監督者がいないためオペレーターの精神的な負担も増加するばかりです。

また、コールセンター全体で必要な情報共有がオペレーター全員に行き届かず、認識違いが生じた結果、オペレーターによって別々の情報を顧客に伝えてしまうリスクもあります。それとは知らずに、全体の方針から逸脱した内容を提供し続けてしまった場合は、伝達ミスの後始末をするのが大変になります。

サービスの応対品質の質が落ちることで、センター全体の成約率や顧客満足度が低下する恐れもあります。在宅勤務の結果、意思統一ができなくなったばかりに営業活動そのものが停滞するリスクがあるのです。

 

人事管理

オペレーターの人事管理も悩みの種です。

まず、在宅コールセンターを実践する場合、オペレーターの教育/研修の実施が困難です。なぜなら、在宅中心の研修を実施する場合には、対面コミュニケーションならではの細かいニュアンスや現場独自のノウハウが十分に伝わりきらない可能性が高いからです。特にコールセンターのように、マニュアルの読み上げだけでは伝わらない内容や、人の肉声があってこそ伝達されるニュアンスの多い職場では、実際に面と向かって教育することで顧客対応コミュニケーションの仕方を身をもって感じることができます。

また、オペレーターの稼働状況が監督者の目に届くところで確認できないことから、人事評価も容易ではないでしょう。どの画面を誰が見ているのか、どのようなスタンスで業務に取り組んでいるのかが可視化されなければ、モチベーションや業務態度を評価するのが難しくなります。人事評価が不透明になれば、不当な評価が生じてオペレーターのモチベーション管理が困難になるかもしれません。

加えて、日々のコミュニケーション不足がオペレーターのモチベーション低下につながるケースもございます。在宅勤務である以上、オンライン会議ができるとはいえ、同僚と実際に顔を突き合わせたコミュニケーションはできません。普段なら休憩時間にできた何気ない雑談もできなくなってしまいます。オペレーターのなかには、そのような状況に孤独を感じてしまい、業務遂行に支障をきたすかもしれません。

 

テレワークでコールセンターを実現する3つのポイント

情報セキュリティの解決案

セキュリティ対策の一つとして、ユーザーの権限管理が有効です。権限管理を徹底することでオペレーターの操作できる範囲を狭めることができます。

例えば、システムの管理機能にはアクセスできない、リストをダウンロードすることはできない、などといった制約を設けることができます。権限をグループ化することで、他のオペレーターにも同様の制限を掛けることも可能です。あらかじめオペレーターの行使できる権限を設定することで、ユーザーの誤操作や不正アクセスを予防できます。

また、セキュアなクラウドシステムの導入も解決策の一つです。

例えば、現在広く利用されているクラウドサービスのAWSは、業界最高レベルのセキュリティを備えていることで有名です。2

なぜセキュリティが高いのでしょうか。その理由は、クラウドが専門家によって常時監視されたデータセンターで管理されているからです。データセンターのセキュリティの規模を考えれば、自社で管理するオンプレミス以上に安全な環境であることがポイントです。

このように、人的セキュリティと物理的セキュリティの双方に対策を施すことが可能です。

 

サービスの質

サービスの質を維持するためには、まずリアルタイムでオペレーターを管理することが重要です。

オペレーターの通話状況をリアルタイムで確認し、過去の音声ログを取得することで、サービスの改善につなげられます。

また、ウィスパリング機能も有効です。ウィスパリング機能とは、管理者による遠隔アドバイスです。この遠隔アドバイス機能をリアルタイムで実施することにより、トラブルを未然に防いだり、クレームに対して有効な回答を示唆できることがあります。

通話中のオペレーターが難しい対応を迫られた際にも、管理者から的確なアドバイスが出せれば、現場コールセンターと変わらないサービスの提供も可能です。

さらに、システム全体に流すテロップなどを設定することも大事です。テロップを見やすい場所に流すことで、オペレーター間んコールセンター全体の情報共有も円滑にできます。

 

 

人事管理

まず新規採用のオペレーター教育には、デモ環境での練習が有効です。デモ環境で練習することで、コールでのマナーを覚えたり、セキュリティ意識を身に着けたりすることができます。次第に慣れていったら、徐々に現場での業務にシフトするのが良いでしょう。

加えて、管理者がリアルタイムのウィスパリングも大事です。ウィスパリングでその都度アドバイスすることで、オペレーターは現場での暗黙知を徐々に学ぶことができます。暗黙知が蓄積されれば、オペレーターは徐々にノウハウを身に着けることができます。

そして、どうしても対応が困難な場合のためにも、他のオペレーターにスムーズにバトンタッチできる機能があると便利でしょう。転送機能を有効かつ円滑に進めるためにも、クラウドの導入は推奨されます。

また、端末にカメラを内蔵したり、リアルタイムでユーザーをモニタリングできる機能を搭載したりすることで、ユーザーの稼働状況を把握することが可能です。

オペレーターの稼働状況が把握できれば、人事評価の基準を明確にすることができます。(関連記事:在宅オペレーターの人事管理を透明化!

 

まとめ

テレワークでのコールセンター業務には、たくさんのリスクが存在することは否めません。しかし、個々の課題に対して適切に対策すれば、セキュリティ対策や品質・人事管理の問題は克服可能だと言えます。ニーズに合ったツールを選択し、慎重に運用すれば、在宅コールセンターの設置も不可能ではありません。

オペレーターの感染リスクを最小化し、新しいワークスタイルに転換するためにも、在宅コールセンターを検討してみてはいかがでしょうか。

 

注)

※注

  1. 日本コールセンター協会コールセンター企業実態調査
  2. AWS(Amazon Web Services)とは、Amazonが提供しているWebサービスの総称です。
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